OneDriveとは、Windows 10に付属しているマイクロソフト社のクラウドサービスです。何に使えるのでしょうか。
図1
パソコンで文章などを作成するとファイルの形で「貯蔵庫」に保存します。
パソコンには、ハードディスクと呼ぶ貯蔵庫があり、その中にフォルダーを作って、ファイルを保存します。
インターネットが普及して、インターネット上にある別のコンピューターのハードディスクに保存できるるサービスが始まりました。マイクロソフト社が提供するOneDriveもその一つです。OneDriveはいわば第2の貯蔵庫です。無料で5 GBの貯蔵庫が使えます。
図2
エクスプローラを開くと左ペインのクイックアクセスとPCの間にOneDriveがあります。その配下にドキュメントや画像フォルダーがあります。これらのフォルダーにファイルを入れると、自動的にインターネットの貯蔵庫に送られる仕組みになっています。
※ エクスプローラはPCの中を見るアプリで、インターネット上のOneDriveは見ることができません。
図2のドキュメントをクリックすると、右ペインにドキュメントフォルダーの中身が表示されます。エクスプローラ画面のリボンにある「新しいフォルダー」ボタンをクリックして、新しくフォルダーを作って名前を付けてみましょう。ここでは、「ぱそこんのぱ」という名前にします。
エクスプローラで見るOneDriveはPC内の貯蔵庫にあります。インターネット上にある第2の貯蔵庫のOneDriveを見るには、 ブラウザーを使います。(今、あなたはブラウザーで“ぱそこんのぱ”を見ています。)
図3
ブラウザーでOneDriveにアクセスすると、次のような画面が表示されます。もし、Office365などの公告画面が表示されたら右上隅の✖をクリックして消します。図4のような画面が開かない人は こちら を読んでください。
図4
上の図の「ドキュメント」フォルダーをダブルクリックして開いてみましょう。図2のところで作成したフォルダー「ぱそこんのぱ」があるはずです。
図2ではパソコン上にフォルダーを作りましたが、図4で見ている「ぱそこんのぱ」フォルダーはインターネット上の第2の貯蔵庫にあるものです。不思議ですね?!
このように、パソコン上のOneDriveとインターネット上のOneDriveは、常に内容が同じになるように動作しています。OneDriveを、あたかもパソコン内部にあるかのように扱える仕組みです。いちいちブラウザーでインターネット上のOneDriveにアクセスする手間がいりません。このように、2つのフォルダーの内容が同じになることを「同期する」と言います。(※エクスプローラのOneDriveで右クリックして設定を開いて同期するフォルダーを指定できます。)
現在では、インターネット上のOneDriveと同じ内容がパソコンにもありますが、Windows 10のUpdateが進むと、インターネット上だけに保存されるようになることがアナウンスされています。(2017/10)
図5
図4の「ドキュメント」を開き、その中の「ぱそこんのぱ」フォルダもダブルクリックして開きます。メニューバーの「+新規」をクリックしてオフィス系のアプリを立ち上げ、文書を作成できます。
たとえば、「Word文書」をクリックして文書を作成してみましょう。文書を作り始めた時点で「ドキュメント1」のような名前のファイルが作成されていているので、「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」から「名前の変更」を選んで希望のファイル名に変更します。たとえば「ぱそこんのぱ」という名前に変更しておきましょう。
エクスプローラでOneDriveを見ると、図2のドキュメントフォルダーの中の「ぱそこんのぱ」フォルダーに「ぱそこんのぱ.docx」というワードファイルができています。ダブルクリックして開くと、パソコン内のワードアプリが立ち上がってファイルを開くことができます。言い換えれば、パソコンにOfficeアプリがインストールされていなくても、OneDriveでOffice系ファイルを作成できることになります。
エクスプローラのOneDriveに、適当な名前を付けたフォルダーを作成し、相手と共有したい写真をその中にコピーします。そのフォルダーの上で右クリックして「OneDriveリンクの共有」をクリックするとパソコンのクリップボードに“共有のためのリンクアドレス”がコピーされます。メールソフトを立ち上げ、相手に出すメール本文にその“共有のためのリンクアドレス”を貼り付けます。相手がメールを受信し、メール本文に書かれている“共有のためのリンクアドレス”をクリックするとあなたのOneDriveの一部のフォルダーを相手が見ることができます。つまり、そのフォルダーが共有されます。
ここでは、立場を変えて、あなたにメールが届いて、相手のフォルダーを共有するように招待されたとしましょう。そのメールの宛先アドレスが、あなたがマイクロソフトアカウントに使用しているものだと、ブラウザーでアクセスしたOneDriveのメニューの「共有」をクリックすると、共有フォルダを見ることができます。
図6
相手の共有フォルダーは、エクスプローラでは見ることができません。エクスプローラは手元のパソコンを見るアプリです。相手のパソコンのフォルダーは見ることができません。共有関係を結べるのはインターネット上のフォルダー同士で、それはブラウザーでしか見ることができません。
あなたがパソコンを立ち上げたときにパスワードを入力したはずです。(PINコードを入力した人はパソコンがあなたに代わってこのパスワードを入力しました。)
このパスワードはマイクロソフトアカウントのパスワードです。マイクロソフトアカウントは、マイクロソフト社のサービスを利用するときに必ず使います。マイクロソフトアカウントは、IDとパスワードの2つで出来ています。IDにはメールアドレスを使います。あなたがパソコンを立ち上げると、パソコンはあなたのIDが判っていて、そのパスワードの入力を求めたのです。正しいパスワードが入力されると、パソコンはあなたのマイクロソフトアカウントを認識します。
図3のところで、あなたがOneDriveにアクセスすると、パソコンはあなたのマイクロソフトアカウントを使ってOneDriveに自動でログインして、図4の画面が開きます。
パソコンの設定によってはブラウザーでOneDriveにアクセスしようとしても図4のような画面が開かないことがあります。
たとえば、あなたがパソコンを開くときパスワードを入れなくても開く設定にしている場合です。マイクロソフトアカウントを使わず、ローカルアカウントの設定になっています。この状態では、図3でOneDriveを開いたとき、自動的にOneDriveにログインできません。
インターネットを使って他のコンピューターとつなぐことがない時代にはローカルアカウントで十分でした。しかし、OneDriveやSkypeなど、他のコンピューターのサービスを利用する現在では、マイクロソフトアカウントにしておいた方がはるかに便利です。
スタートボタン→設定→アカウントでマイクロソフトアカウントを新規に作成できます。IDとパスワードをしっかりメモしておきましょう。IDに使うメールアドレスは、普段使うメールアドレスの方が便利です。「ユーザー情報」のところでローカルアカウントをマイクロソフトアカウントによるログインに変更できます。
OneDriveのアカウントを取得して、ある時から2年間アクセスしない時期が続くと自動的に削除されます。削除の1か月前に「今後も使用したいときはアクセスしてアカウントを有効にしてください」とのメールがマイクロソフトから届きます。