いろいろなアプリを使いながら、ファイルの保存と読出しについて学びます。それぞれのアプリについて詳しく説明するのではなく、このサイトではファイルの保存や読出しに焦点を当てています。エクスプローラを駆使してファイルがどこに保存されているかを突き止めます。このような体験を通して、パソコンは、考えようによっては単純な機械だ...と思えてくると、しめたものです。
開くのに便利だから...とデスクトップにファイルを並べていませんか?ワードやエクセルを開いて、最近作成したファイルの一覧から開いていませんか?もちろん、それでも良いのですが、パソコンをよりよく知り、よりよく活用するためには、別のアプローチを試すことも大切です。そうすることで、パソコンの仕組みが見えてきます。
パソコンは、アプリをせっせと働かせる(1)頭脳と、アプリがデータを産み出すために(2)作業する場所と、データ(ファイル)とアプリを保存する(3)貯蔵庫、の3つの部分でできています。これらは、それぞれ、CPU(頭脳)、メモリー(作業場所)、ハードディスク(貯蔵庫)と呼ばれます。この3つはパソコンの主要な要素であり“パソコンの3大要素”といいます。
貯蔵庫はいろいろな場所に設けることが可能です。貯蔵庫は、ドライブという言葉で表すこともあります。パソコンの中にあるハードディスクもドライブの1つで、ローカルディスクとも呼ばれます。クラウドにあるOneDriveやGoogleドライブもドライブの1つです。また、ディジタルカメラのSDカードをカードスロットに挿入したり、USBメモリーをUSBコネクターに差込んだりすると、パソコンにドライブを追加したことになります。
機械的に動いてデータを読み書きするハードディスクに対して、最近は半導体のSSD(Solid State Drive)が使われるようになってきました。半導体ですから機械的な動きがなくデータの読み書きが高速になります。パソコンの ハードディスクをSSDに交換すると驚くほど速くなります。
パソコンを使いこなすには、ファイルがどのドライブに保存されているかを意識することが大切です。
パソコンは、何をするにもアプリ(プログラム)が動作します。多くのアプリは動作した結果(データ)を産み出します。中にはアプリが自動的にデータを貯蔵庫に保存するアプリもありますが、一般にはユーザーがデータを「ファイル」として貯蔵庫に保存します。アプリによっては情報を画面に表示したり印刷したりするだけで、ファイルとして保存しないものもあります。
アプリが産んだデータを書き出すことを「ファイルを保存する」といい、一般に、保存されたファイルのアイコンをダブルクリックすると、そのアプリが立ち上がり「ファイルを読み出し」ます。
アプリやデータは、人の目には分かりにくい存在です。これがワードというアプリ、これがワードで作ったデータ、と指し示すことができるように、アプリやデータを「アイコン」と呼ぶ絵柄で表示します。
下のアイコンは、左からワード、エクセル、エッジと呼ぶアプリのアイコンです。
一方、下のアイコンは、左からワードで作成したデータファイル、エクセルで作成したデータファイルのアイコンです。アプリのアイコンとは図柄が異なっています。
エッジというアプリは、インターネットを閲覧するためのアプリで、ワードやエクセルのように保存が必要なデータを産み出しません。しかし、エッジで閲覧したページのURLや、ユーザーが登録したお気に入りサイトなどをエッジ内部で保存しています。これらの情報を、私たちはエッジを介して読み出します。
エッジはインターネットを閲覧するアプリの1つで、ブラウザーと呼ばれます。クロム(Chrome)やサファリ(Safari)もブラウザーの仲間です。クロムはAndroidスマホの標準ブラウザー、サファリはiOSスマホ(iPhone)の標準ブラウザーです。
ファイルは貯蔵庫に保存されます。いろいろな目的で作成したファイルのすべてをそのまま貯蔵庫に詰め込んだとすると、探し出すのが大変です。そこで、あたかもタンスの引き出しのように、貯蔵庫に目的別にフォルダーを作ってファイルを保存します。
引き出しの中にさらに引き出しを作ることができて、親のフォルダー、子供のフォルダー、孫のフォルダーのように階層構造ができます。1つ下の階層のフォルダーのことを、上の階層のフォルダーの「サブフォルダー」と呼ぶことがあります。
同じ階層に同じ名前のフォルダーを作ることはできません。階層が違えば可能ですが、避けた方が無難です。ドライブが違えば、別のドライブにあるフォルダーと同じ名前のフォルダーを作っても構いません。
パソコンの貯蔵庫には標準的なフォルダーがあらかじめ作ってあります。これらは「ライブラリー」と呼ばれ、ドキュメント、ピクチャ、ミュージック、ビデオなどがライブラリーフォルダーです。ライブラリーは、本来はパソコンやネットワークなどさまざまな貯蔵庫に保存されている複数のファイルを、保存場所から移動することなく、1つのフォルダーでまとめて管理する機能を指します。ここでは、そのような高度な機能には触れません。
ドキュメントフォルダーにはワードやエクセルなどで作成した文書を、ピクチャフォルダーにはディジカメやスマホで撮った写真などを、ミュージックフォルダーには音楽ファイルを、ビデオフォルダーには動画ファイルを保存することが想定されています。しかし、ドキュメントフォルダーに写真などを保存してもパソコンがおかしくなるわけではありません。デスクトップにたくさんのアイコンを並べるのを止めて、フォルダーにしまうことが、パソコンの第一歩かもしれません。