地元の自治会では班単位でバインダーにとめたりした回覧板が回ってきます。目を通して次のお宅のポストに入れます…。ここではそのような紙の回覧板ではなくて、Googleドライブを利用してパソコンやスマホで閲覧できるWeb回覧板システムを作ってみましょう。
本格的なWeb回覧板は、本来は自治体のWebサーバーで運営されるものでしょうが、その機が熟すまでの簡易的な方法を書いています。
図1 Web回覧板システム
(1) GoogleドライブにWeb回覧板用フォルダーを作る
(2) Web回覧板を利用する人のメールアドレスを収集しておく
(3) 回覧物のPDFファイルをアップロードする
(4) メールで利用者に通知する
(5) 利用者はスマホやパソコンで回覧物を閲覧する
Web回覧板システムは管理者がGoogleドライブに(1)Web回覧用のフォルダー(ここでは「Web回覧」フォルダーと呼びましょう)を作成し、(2)利用者のメールアドレスを収集すると出来上がります。
回覧物が回ってくるたびに管理者は(3)電子化した回覧物を「Web回覧」フォルダーにアップロードし、利用者にメールで通知します。利用者管は届いたメールにあるリンクをクリックして回覧物の目を通します。
Web回覧板システムはウィルス感染リスクを避けるには有効な方法であり、また回覧物を何時でも閲覧できるのでメモをとっておく必要がなく、情報共有が効果的に機能する方法といえます。
GoogleドライブはGoogle社が運営するクラウドサービスです。無料で15 GBまでの容量を使えます。利用するにはGoogleアカウントを登録します。Googleアカウントはメールアドレスと自分で決めるパスワードで構成されます。メールアドレスにはGメールをあてます。
管理者は無料のGメールアドレスを取得します。アンドロイドスマホを持っていれば、すでにGメールアドレスを登録しているはずです。iPhone系スマホなら新しくGメールアドレスを取得します。
そのGメールアドレスとパスワードを使ってパソコンでGoogleドライブにサインインして「Web回覧」フォルダーを作成します。パソコンとスマホで同じGoogleアカウントでログインします。パソコンとスマホやタブレットで異なるGoogleアカウントを使用しないように注意します。アカウントが違うと異なるGoogleドライブにアクセスすることになり、パソコンからGoogleドライブにアップしたファイルがスマホでは見ない…といったことになります。
管理者は、自分のGoogleドライブを開き下の画像に赤丸を付けた「新規」ボタンをクリックして表示する画面で「フォルダ」をクリックして「Web回覧」という名前のフォルダを作成します。
管理者は、Web回覧板システムを利用する人からメールアドレスを集めます。プロバイダーメールアドレスやYahooやOutlookのアドレスでも良いのですが、Gメールをお持ちならその方が好都合です。(5)項でその理由がわかります。
管理者は、集めたメールアドレスをメールソフトの「連絡先」に登録しておきます。事前にメールを出してメールアドレスに間違いがないことも確かめておきましょう。
回覧物はPDFファイルでパソコンのフォルダ「回覧板」に保存しておきます。ファイル名の先頭に番号を付けておくとファイルを回覧順に並べることができるので管理が楽になります。
■ 市や規模の大きい団体からの回覧物の場合は、そのほとんどがホームページからPDFファイルとしてダウンロードできるでしょう。自治会や学校が発行する回覧物のPDFファイルが一番入手が困難です。
■ 紙の回覧物はスキャナーでPDFファイルに変換します。あるいは、スキャナー機能が付いているプリンターも使用できます。次のページを参考にしてください。
■ スマホで撮影してPDFファイルに変換することもできます。
Googleドライブの「Web回覧」フォルダにパソコンからアップロードするには次の様にします。
あらかじめ収集しておいた利用者のメールアドレスに、新しい回覧物をアップしたことを知らせるメールを送信します。このとき、宛先をBCCにすれば届いたメールからは誰に送信されているかは分かりません。つまり、メールアドレスが当人以外に漏れることはありません。(当然、管理者は集めたメールアドレスの扱いには注意を払う必要があります。)
そのメールにはGoogleドライブの「Web回覧」のURLを書いておきます。
Web回覧板システムの管理者から新しい回覧がアップされたことを知らせるメールが届いたら「Web回覧」へのリンクをクリックします。次の画像はタブレットで「Web回覧」へアクセスした様子です。PDFファイルのアイコンが並んでおり、その1つをダブルクリックすると回覧物が開きます。
■ Gメールアドレスで配信通知を受けると
管理者にGメールアドレスを登録しておき、回覧通知メールに記載されたリンクをクリックすると、Googleドライブの「共有アイテム」に「Web回覧」フォルダが表示されるようになります。メールを開かなくても、いつでもGoogleドライブ→共有アイテム→Web回覧とたどれば回覧を閲覧できて便利です。
モバイル端末の場合はGoogleドライブを開き画面下に表示される「共有中」ボタンからアクセスできます。
管理者が変わって、Googleドライブのオーナーを変更したいことがあるかもしれません。その場合は、新管理者のGoogleドライブに、例えば仮に「Web回覧移動」フォルダを作成し、旧管理者を編集権限で共有設定します。旧管理者が「Web回覧」フォルダの上で右クリックし「指定の場所に移動」をクリックし、移動先として共有アイテムの「Web回覧移動」フォルダを選び移動を実行します。新管理者は「Web回覧移動」フォルダの中に移った「Web回覧」フォルダを同じ方法でマイドライブに移動し、共有設定を削除すればオーナー移管が完了します。