Google系アプリを使って自治会の回覧物を作ってみます。ワードやエクセルのサポートが終了して使えなくなったとしても、無料のGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートでワードと同じような文書を作成できます。次の記事も参考にしてください。
例題として次のような文書を作成してみましょう。
詳細は「ダウンロード」ボタンをクリックして「生活環境部だより.pdf」ファイルをパソコンに取り込んでご覧ください。
①の部分はGoogle図形描画アプリで、②の文書そのものはGoogleドキュメントで、③のグラフはGoogleスプレッドシートアプリで作成します。「Google系アプリを使ってみよう」も参照ください。
(1)フォルダを作る
(2)文書ファイルを作る
(3)題字部分を作る
(4)スマホから音声入力する
(5)QRコード画像を作成する
(6)表を作成する
(7)グラフを挿入する
(8)印刷やダウンロードする
Googleドライブを開きマイドライブに「生活環境部」というフォルダを作るため「新規」ボタンをクリックします。次のウィンドウが開きます。
図1 「新規」ボタンをクリックしてフォルダーを作る
開いたメニューの「フォルダ」をクリックします。
図2 フォルダの名前を付ける
フォルダの名前として「生活環境部」と入力し、「作成」をクリックします。マイドライブに「生活環境部」というフォルダができたのでダブルクリックして開きます。
図3 マイドライブの中の生活環境部フォルダを開いている
空のフォルダーが開き、上図に破線で示すようにマイドライブの中の生活環境部というフォルダを開いていることがわかります。このフォルダの中で、関係するすべてのファイルを作成します。
「生活環境部」フォルダの中で「新規」ボタンをクリックし、Googleドキュメントをクリックます。白紙のページが開きます。左上の「無題のドキュメント」の部分を「生活環境部だより」と書き換えます。この部分がファイル名になります。
図4 ファイル名を入力する
次に文書の余白を設定します。
図5 ページ設定
文字と図形が混ざっている部分(ここでは題字と呼びます)はGoogle図形描画アプリで作成します。
パソコン画面でGoogleドキュメントを開いているとブラウザ・ウィンドウの上部には図6のようなタブができています。
図6 ブラウザ・ウィンドウのタブ
Googleドキュメントの「生活環境部だより」を開いているとタブ①が白く表示されています。その左隣の「マイドライブ」と表示したタブ②をクリックするとGoogleドライブの「生活環境部」フォルダが開きます。その中で「新規」ボタンをクリックし、「その他」から「Google図形描画」をクリックします。
図7 Google図形描画を開く
描画キャンバスが開くので、まず左上の「無題の図形描画」の部分を、ここでは「題字」としておきましょう。これがファイル名になります。
次に「挿入」メニューの「図形」の中の「角丸四角形」をクリックします。
図8 「角丸四角形」を選ぶ
マウスカーソルが+に変わるのでドラッグして四角形を描きます。描いた図形の中でダブルクリックして「回覧」と入力します。
図9 フォントや文字サイズなど書式の設定
① 「塗りつぶしの色」ツールで「透明」に
② 「枠線の太さ」ツールで「3ピクセル」にします。
③ 文字を選択しておき「フォント」を「MSPゴシック」に
④ 「フォントサイズ」を「18」に
⑤ 「中央」をクリックし文字を四角形の中央に表示します。
このような要領でそのほかの部分も作成します。
「~だより」の部分は図形/角丸四角形、枠線3ピクセル、図形内でダブルクリックして「生活環境部だより」と入力し、文字を選択してフォントはMSPゴシック、フォントサイズ36
「会長承認済」の部分は図形/楕円でShiftキーを押しながら正円を描き塗りつぶしの色を透明に、枠線の太さを3ピクセルにする。図形をダブルクリックして文字を入れてもよいが、余白のため文字が小さくなりすぎるので、テキストボックスを使って「会長(改行)承認済」と入力し円と重ねてもよい。フォントはMSPゴシック、フォントサイズ12。
右端の3行の部分はテキストボックスツール(下図の赤枠)で作成します。フォントはMSPゴシック、フォントサイズ12。
図10 テキストボックスツールで作成
「回覧」の左端(下図の赤三角)の位置と「テキストボックス」の右端(赤三角)の位置を決めて、間隔や縦方向の位置はそのままで「選択」ツール(下図の赤丸)でドラッグしてすべてを選択します。
図11 すべてを選択する
「配置」メニューの「配置」から「中央(縦)」をクリックすると縦方向の中心が揃います。
図12 縦方向の中心をそろえる
次に「配置」メニューの「整列」から「左右」をクリックすると横方向の間隔が揃います。
図13 横方向を整列する
これで「題字」ファイルが完成しました。保存ボタンはなく、自動的に保存されています。
図14 「題字」が完成
「生活環境部だより」のタブをクリックするか、Googleドライブの「生活環境部」フォルダを開いて「生活環境部だより」というGoogleドキュメントファイルをダブルクリックして開きます。
一番上の行でクリックしてカーソルを置き、中央揃えにします。ウィンドウ幅が狭いときは上図のように「中央揃え」ボタンが表示されていません。その場合は下の画像の赤丸をつけたボタン(もっと見る)をクリックしてツールバーを拡張します。
図15 ツールバーの拡張ボタン(もっと見る)
次の画像のようにツールバーが拡張されます。
図16 題字の挿入位置を中央に
「中央揃え」ボタン(上図の赤丸)をクリックするとカーソルが中央に移動します。この位置に「題字」ファイルを次のようにして読み込みます。
図17 「題字」図形描画ファイルの挿入
① 「挿入」メニューをクリックします。
② 「描画」あるいはその右の▶をクリックし
③ 「ドライブから」をクリックします。
図18 図形描画ファイルを選択する
図形描画アプリで作成したファイルが表示されます。ここでは「題字」というファイルをクリックして選択し「選択」ボタンをクリックします。すると次の画面が開きます。
図19 リンクを保って挿入する
「元の図形描画にリンク」の方をクリックして●をつけて「挿入」をクリックします。このようにしておくと、Googleドキュメントに挿入した後もGoogle図形描画を開いて編集できます。
図20 描画キャンバスの全体が読み込まれる
挿入した範囲はブルーの線で表示されています。題字の部分だけでなく描画キャンバス全体が挿入されました。ツールバーを拡張し、トリミングツールを見つけます。
図21 空白部分をトリミングする
上図赤丸が「トリミング」ツールです。クリックすると黒枠が表示され各辺の中央にハンドルが表示されます。
図22 「題字」を編集するとき
下の辺のハンドルを上にドラッグして題字の部分だけにトリミングします。このとき、青いハンドルをドラッグしてしまうと縦横比が変わり文字が歪んでしまいます。そのときは、ツールバーの左端にある「元に戻す」ボタンをクリックしてやり直します。
図22に赤丸を付けた V ボタンをクリックすると次のウィンドウが表示されます。
図23 「題字」ファイルを開く
「ソースデータを開く」をクリックすると「題字」ファイルが開き編集できます。変更を加えてGoogleドキュメントタブをクリックして「生活環境部だより」に戻ると題字部分の左上に「更新」ボタンができています。クリックすると「題字」ファイルに加えた変更が反映されます。
題字の下の行の左にカーソルを移動しておきましょう。ツールバーの「左揃え」をクリックしてカーソルを左に移動します。この位置にスマホを使って音声で文字を入力します。
スマホにはGoogleドキュメントアプリをインストールしておきます。
タップすると「生活環境部だより」がありますのでタップして開きます。(もちろん、スマホとパソコンののGoogleアカウントが同じ場合です。)
図24 鉛筆アイコンをタップして編集モードにする
赤枠をつけた「鉛筆」ボタンをタップします。
図25 マイクアイコンをタップして音声入力を開始する
原稿を手元に用意し、上図の赤丸をつけたマイクボタンをタップします。文字部分のすべてを一気に読み上げて音声入力します。
図26 文字部分すべてを読み上げる
句読点、かっこ、中黒などは音声では入力できません。判読間違やひらがな・カタカナを修正し、段落を整形します。
図27 ✓をタップして編集モードを終わる
ここまで出来たら画面左上の✓をクリックして編集モードを終わりパソコンに戻ります。
ゴミの分別の仕方を説明しているサイトのURLを取得してQRコード画像を作成し、Googleドキュメントで作成中の「生活環境部だより」に挿入します。
まず、Google検索で「ゴミの分別 平塚市」を検索してみます。ヒットした候補のページは次のようでした。
図28 リンクしたいページを検索して探す
先頭のサイト(赤の破線)をクリックして開き、探しているサイトであることを確認します。
図29 リンクしたいページのURLをコピーする
赤枠で示す部分(アドレスバー)の上でクリックし(カーソルを置き)、CtrlキーとAキーを同時に押してURL全体を選択します。続いて選択されて色がついた部分の上で右クリックしコピーをクリックします。これで、パソコン内のクリップボードにURLがコピーされました。
次にQRコードの画像を作成するために下のリンクをクリックします。
ページが開いたら下の赤点線枠で示す部分で右クリックし「貼り付け」をクリックして「これは何のごみ?」のページのURLを貼り付けます。
図30 QRコード作成ページにURLを張り付ける
OKボタンをクリックするとQRコードが表示されます。
図31 作成されたQRコード画像をダウンロードする
表示されたQRコードをスマホで読み取り、正しいページが表示されることを確認して「ダウンロードする」をクリックします。Chromeブラウザーの場合は左下に次のようなウィンドウが表示されます。Edgeブラウザーの場合は右上に同様な小さなウィンドウが開きます。(「ダウンロードを究める」参照)
図32 Chromeブラウザを使ったダウンロード
Chromeブラウザーの場合は上図の左下にダウンロードされたファイルのファイル名が表示されており、赤丸をクリックして「フォルダを開く」をクリックすると保存されたフォルダがわかります。一般には「ダウンロードフォルダ」ですが、フォルダ名を控えておきましょう。
Googleドライブの「生活環境部」フォルダを開いて「新規」ボタンの「ファイルをアップロード」をクリックしてダウンロードしたQRコードファイルをアップロードしておきましょう。
生活環境部フォルダには3つのファイルが入っています。下の画像は、右上のボタンで「リスト表示」にして表示しています。
図33 QRコード画像をGoogleドライブにアップロード
生活環境部フォルダを開きGoogleドキュメントの「生活環境部だより」をクリックして開きます。文章の最後をクリックしてカーソルを置きます。
図34 QRコード画像を挿入する
「挿入」をクリックし「画像」→「ドライブ」とたどり、図35の画像の右に表示されるウィンドウからQRコードファイルをクリックして選択し(赤枠)、「挿入」をクリックします。
図35 QRコード画像を挿入する
画像をダブルクリックしても挿入されます。文章の下にQRコードが挿入されたらクリックして右下のハンドルを操作して適当な画像サイズに調整します。
図36 「テキストを折り返す」ボタン
画像を選択しているとき上図に赤丸で示す「テキストを折り返す」ボタンをクリックしておくと、画像をドラッグしたとき、テキストが画像周りで折り返すように移動できます。第2段落の右端にQRコードを配置します。
下図の赤枠で示す文字列「これは何のごみ?」の部分にリンクを組み込みましょう。
図37 文字列にリンクを組み込む
「これは何のごみ?」のページのURLをあらかじめクリップボードにコピーしておきます(図29)。そして、上図の赤枠で示す部分の文字列を選択します。
図38 リンクの挿入
① 「リンクを挿入」ボタンをクリックし
② 右下に表示される入力エリアを右クリックし「貼り付け」をクリックします。
③ 「適用」をクリックします。
これで「これは何のごみ?」の部分にリンクが組み込まれました。文字が青くなり下線が引かれています。クリックして表示されるURLをクリックして正しいページが開くことを 確認しておきます。
表のタイトル「月ごとの…」の右端をクリックして改行します。カーソルは中央揃えの位置にあります。
図39 8列3行の表の挿入
「挿入」をクリックし「表」をクリックして開くウィンドウで8列3行をドラッグしてクリックし、表の枠を作ります。
図40 挿入された表
見本を参考に表のセルに文字を入力します。セルの幅が狭く文字が入りきらなくても構わず続けて入力します。途中でEnterキーを押さないように気をつけます。Enterキーを押してしまうと、後で列幅を広げたとき1行になりません。
図41 セルには改行せずに文字入力する
1列目を選択し、2列目との境の枠線にマウスを合わせるとカーソルの形状が縦の黒い線になります。その状態で右にドラッグして1列目の幅を、文字が折り返すことがなくなるまで広げます。
図42 第1列の幅を調整
2列目から最後の8列目までを選択し、列幅を均等にします。
図43 列幅を均等にする
2列目から8列目までを選択し、「表示形式」メニューをクリックして「表」→「列の幅を均等にする」をクリックします。
図44 文字の中央揃えと右揃え
グラフはGoogleスプレッドシートアプリで作成し「生活環境部だより」に挿入します。まず、Googleドキュメントの「生活環境部だより」の表全体を選択し、選択部分で右クリックしてコピーをクリックします。
次に、Googleドライブの「生活環境部」フォルダの中で「新規」をクリックしてGoogleスプレッドシートをクリックして開きます。
図45 Googleスプレッドシートを立ち上げる
Googleスプレッドシートが開いたらセルA1をクリックし、右クリックして「貼り付け」をクリックします。
図46 入力済の表を張り付けて「累計」行を作る
左上の「無題のスプレッドシート」の部分をクリックし、ファイル名として「資源ゴミ買取額」と入力します。
グラフには月々の買取実績額に加えて、月ごとの買取実績額の累計を描きます。そのため、GoogleスプレッドシートのA4セルをクリックし「累計」と入力し、セルB4~G4に累計額の計算式を入力します。
計算式をセルに入力するとき、まず、半角のイコール「=」を入力しますが、このとき下のような便利機能が表示されます。このときは、赤丸を付けた✕をクリックして消します。
図47 便利機能を閉じる
これでセルB4~G4に累計額が入ります。
準備ができたのでグラフを描きましょう。グラフの横軸としてセルA1からG1を選択し、さらに複数の行を追加選択するためにCtrlキーを押しながらセルA3からG4を選択します。
図48 グラフにするデータを選択する
「挿入」メニューから「グラフ」をクリックします。
図49 グラフを挿入する
グラフが作成されます。グラフをドラッグすると任意の場所に移動できます。また四隅のハンドルを操作してグラフを伸縮できます。
図50 グラフの挿入
グラフの種類を、棒グラフと折れ線グラフの複合グラフに変更するため、グラフ部分で①ダブルクリックして「グラフエディタ」を開きます。
図51 「グラフエディタ」を開く
「グラフの種類」の「縦棒グラフ」の右にある▼をクリックして③の「複合グラフ」をクリックします。
図52 複合グラフ
棒グラフの縦軸目盛りを右軸に表示するため、グラフエリアをダブルクリックしグラフエディタを表示させ、「カスタマイズ」タブをクリックし系列の下の▼をクリックして「買取実績額」を選択します。
図53 系列を選択する
グラフエディタを下の方にスクロールして「軸」を見つけます。
図 54 右軸も使う
「カスタマイズ」タブ①の「軸」の▼②をクリックして「右軸」③を選びます。
図55 折れ線を太く
上図では、折れ線グラフの太さを次のようにして太くしてあります。「グラフエディタ」の「系列」で「累計」を選び「線の太さ」で4 ptを選んであります。
グラフのタイトルを次のようにして編集します。
図56 グラフタイトルの変更
「グラフエディタ」の「カスタマイズ」タブで「グラフと軸のタイトル」で▼をクリックして「グラフのタイトル」を選び下に「買取実績額と買取実績累計額」と入力します。タイトルの位置を中央揃えにするため下の「タイトルの書式」で「中央」を選びます。
同様に、①で「縦軸のタイトル」を選び②に「買取実績累計額(円)と入力し、さらに①で「右の縦軸のタイトル」を選び②に「買取実績額(円)と入力しておきます。
また、凡例にはGoogleスプレッドシートに作った表のセルA3とセルA4に記入した文字列がそのまま反映されますので、それぞれ修正します。
次のようなグラフが完成しました。
図57 完成したグラフ
それではGoogleドキュメントで作成中の「生活環境部だより」を開いてグラフを取り込んでみましょう。Googleドキュメントを開いて表の下に中央揃えにしてカーソルを置きます。
図58 Googleドキュメントにグラフを挿入
「挿入」メニューの「グラフ」から「スプレッドシートから」を選びます。開いた画面(図59)でグラフを作成したクリックし「選択」をクリックすると次のような画面が開きます。(Googleスプレッドシートに複数のグラフを作成していると図59にそれらすべてのグラフが表示されます。)
図59 グラフのインポート
① 挿入するグラフを選択し、
② 「スプレッドシートにリンク」にチェックを付けた状態で
③ 「インポート」をクリックするとグラフが挿入されます。
図60 グラフを編集するときは…
挿入したグラフを変更したいときは、グラフの右上のVボタンをクリックします。
図61 ソースデータを開く
「ソースデータを開く」をクリックするとこのグラフを作成したGoogleスプレッドシートが開き編集できます。グラフを変更するとGoogleドキュメント側には次の画像のように「更新」が表示されます。
図61 「更新」ボタン
「更新」をクリックすると変更が反映されます。
印刷するには「ファイル」メニューから「印刷」を選ぶか、「印刷」ツールボタン(下図の赤丸)をクリックします。
図62 「印刷」ボタン
ファイル形式を変えてダウンロードするには「ファイル」メニューのダウンロードをクリックします。次のようなウィンドウが開きます。
図63 ファイル形式を選んでダウンロード
「Microsoft Word」をクリックすればワード形式でダウンロードされます。「PDFドキュメント」をクリックすればPDF形式でダウンロードされます。
ダウンロードするフォルダはブラウザの設定によりますが、一般に「ダウンロードフォルダ」に保存されます。(ダウンロードを究める)
Googleドキュメントは紙に印刷したり、PDFファイルなどをメールに添付して送らなくても、相手がインターネットにアクセスできる環境ならファイルの共有が容易です。詳しくは次のページをご覧ください。