はがきの年賀状には捨てがたい味がありますが、今年はディジタル化の波に乗って、メールで年賀状の一斉配信にチャレンジしてみましょう。
ここではワードとエクセルを使って、宛先ごとにメッセージを変えてメールを出す方法を書いています。ワードの「差し込み文書」機能を使います。メールを送信するときにはメールソフトのアウトルックを立ち上げておく必要があります。
まず、ワードで年賀状本文を作成します。ワードで新規に白紙を開いて画面右下で「Webレイアウト」ボタンをクリックします(下図)。メールで送る賀状ですので用紙の境界を気にせず画面レイアウトができます。
図2 ワードファイルの作成例
マスクをした牛の画像の下には相手の姓名を、「...今年もよろしくお願いします」の下には相手に合わせたメッセージを挿入します。
次にエクセルで相手のメールアドレスや挿入するメッセージを用意します。これらメールアドレスやメッセージなどのメール1通分の情報をエクセルの1行に書き込みます。ですから送りたいメールの数だけの行を作成することになります。このような使い方では、行のことをレコード、列のことをフィールドと呼びます。
図3 データファイルの作成例
上図のエクセルファイルには4レコードが作成してあり、各レコードにはNo、姓、名、敬称、メールアドレス、メッセージフィールドがあります。先頭行はフィールド名が書き込まれたタイトル行になっています。シート名はmailです。このようなエクセルファイルをデータファイルと呼びましょう。
まず最初に、自分や家族のメールアドレスに限定したデータファイルを作って送信してみます。上手く送信できたら、メールが想定したレイアウトで届いているかを確認します。その後で、本番のエクセルファイルを作成しましょう。
テスト用と本番用のデータを、1つのエクセルファイルにシートに分けて用意するのは危険です。テストのつもりで本番のデータを送信してしまう恐れがあります。テスト用と本番用の2つのエクセルファイルを作成しておく方が無難です。
ワードファイルとエクセルファイルを関係づけるには次の作業が必要です。
(1)ワードとエクセルファイルを連結する
(2)エクセルのフィールドをワードファイルに挿入する
ここではワードファイルを「年賀メール.docx」、エクセルファイルを「年賀データ_テスト.xlsx」としましょう。「年賀データ_テスト.xlsx」は本番の「年賀データ.xlsx」と同じですが、自分のアドレスなど2~3のメールアドレスだけを記入した、テスト用のファイルです。
(1)ワードとエクセルファイルを連結する
図4 差し込み印刷の開始
図5 宛先の選択
図6 データファイルの選択
図7 シートの選択
以上でワードとエクセルの連結が完了しました。
(2)フィールドをワードファイルに挿入する
続いて、データファイルのフィールド(差し込みフィールド)をワードファイルに埋め込みます。
図8 差し込みフィールドの挿入
ここでは姓・名・敬称を続けてクリックしています。上図の様にフィールドを挿入した後でフィールドを選択し文字フォントや文字サイズを設定したり、フィールド間に空白を挿入したりできます。
図9 年賀メール.docの完成
ワードファイルが完成したのでファイル/名前を付けて保存で「年賀メール」という名前で保存します。
ワードを終了していたときは、立ち上げるとデータファイルを読み込むかどうかの確認メッセージ(図14)が表示されるので「はい」をクリックします。テスト送信の前にメール文面のプレビューをして「メッセージ」の改行位置などを確認します。
(1)メール文面のプレビュー
次のようにしてプレビューします。進む・戻るボタンをクリックして送信予定のすべてのメールをプレビューできます。
図10 メール文面のプレビュー
特に「年賀データ.xslx」のメッセージフィールドに書き込んだ1行分の文章が長いと他の部分の文章と不釣り合いになります(上図赤点線)。エクセルのセルの中で改行したいときはAltキーを押しながらEnterキーを押します。
図11 メッセージフィールドに改行を挿入
この様に改行すると他の部分と文字幅のつり合いがとれます。ただし、1行の長さがスマホの横幅より長いところで改行するとスマホで見たとき不自然な位置に改行が入ってしまいます。スマホの横幅より短い長さで改行を入れた方が無難です。
(2)送信テスト
続いて、自分宛てのメールアドレスだけが記入されている「年賀データ_テスト.xlsx」ファイルをB項(1)の手順で連結して送信テストをしてみましょう。
図12 メール送信のテスト
次のようなウィンドウが開きます。
図13 電子メールに差し込み
送信したアドレスに届いたメールの送信元アドレスや件名、レイアウトの崩れなどをチェックしておきましょう。
ワードファイル(年賀メール.docx)を立ち上げると次のような画面が表示されます。
図14 データの確認
前回に関係づけたエクセルファイルのままで良いときは「はい」をクリックします。データファイルの内容を変更していてもかまいません。
メールの送信テストをした後に本番メールを送信するときのように、異なるデータファイルを使いたいときは「いいえ」をクリックします。「はい」の場合と同じように、図9のような画面になりますが、データファイルが連結されないためプレビューボタンが機能しません。
B項(1)の手順で、データファイルを連結して、C項のテスト手順と同じ方法でメールを送信します。
はがきの年賀状のお付き合いがなかった人たちに、年賀を機会にメールを出して旧交を温めるのもよいものです。しかし、次のような点に注意です。