GIMPを使ってガイドブックの地図を編集してみましょう。編集した地図は私的な目的で使用します。
GIMPを立ち上げ、「ファイル」メニューの「開く/インポート」をクリックして柴又七福神.jpegを開きます。
図1 サンプル画像を開く
開いた画像は上下が逆になっているので、次のようにして180度回転します。
(1)「画像」メニューの「変形」にマウスをポイント
(2)「180度回転」をクリック
ファイルを保存しますが、編集した内容を書き出すことをGIMPではエクスポートと呼びます。「保存」を選ぶとGIMPのファイルフォーマットで保存され、Jpeg画像とは違った形式で保存されてしまいます。
(1)「ファイル」の「名前を付けてエクスポート」をクリック
(2)ファイル名を「柴又七福神_回転」に変更する(赤枠)
(3)保存するフォルダーを選ぶ(赤枠の下)
(4)「エクスポート」をクリック
(5)表示されたウィンドウで「エクスポート」をクリック
図2 180度回転しエクスポートする
サンプル画像は右下がりに少し傾いています。次のようにして補正してエクスポートします。
(1)「柴又七福神_回転.jpeg」を開く
(2)「ツール」メニューの「変形」から「回転」を選ぶ
(3)画面の倍率を100%程度に大きくする
(4)「角度」の上下の▼印(赤枠)をクリックして調整する
(5)「回転」をクリックする
(6)「傾き微調整」という名前でエクスポートしておく
図3 傾きを調整しエクスポートする
画像のうち、地図の部分だけを切り取ります。
(1)「傾き微調整.jpeg」のアイコンの上で右クリックする
(2)「プログラムから開く」から
GNU Image Manipulation Proguramをクリックする
(注)右クリックの「プログラムから開く」にGIMPが表示されない場合は、GIMPを先に開いておき、開きたいJpegファイルをGIMPのウインドウにドラッグ&ドロップしてください。
(3)ツールオプションから「矩形選択」ツールをクリック
(4)地図の範囲をドラッグして選択
(5)「画像」メニューの「選択範囲で切り抜き」をクリック
(6)「ファイル」メニューの「名前を付けてエクスポート」を
クリック
(7)ファイル名を「選択範囲で切り抜き」に変更
(8)「エクスポート」をクリック
図4 地図の部分だけを切り抜きエクスポートする
切り抜いた画像の左端に影があり焦点が甘いですが、これはスキャナで撮像時にガイドブックの折り目が持ち上がっていたためです。本をスキャンするときは押し付けるようにして取り込みたい部分が読み取り台に密着するようにします。
真勝院の旗の番号を4から2に書換えてみます。
(1)画面の倍率を400%にする
(2)スポイトツールで旗の色をクリック
「描画色」が黒からスポイトで選んだ色に変わる
(3)ブラシツールで旗の数字4を消す
ブラシのサイズを5ポイント程度にする
図5 スポイトとブラシを使って旗の数字を消す
(4)描画色を白にする
(5)「文字」ツールを選択する
(6)フォントサイズを20pxにする
(7)旗をクリックして全角で2を入力する
(8)「移動」ツールで文字を旗の中心に移動する
フォントサイズを変更するには、「文字」ツールを選択した状態で入力した文字をドラッグして選択してからサイズを変更する。
(9)「旗の番号変更」という名前でエクスポートする
図6 文字ツールと移動ツールを使って
「旗の番号変更.jpeg」を開き、表示倍率を400%にして、旗3をコピーし矢切の渡し付近に貼り付けます。貼り付け位置を調整後、新しくレイヤーを追加し、そのレイヤーに固定します。
(1)旗3の周囲を含めて矩形選択ツールで囲み選択します
(2)コピーし、貼り付けます
右ペインのレイヤータブに「フローティング選択範囲」が表示されます
(3)旗3に重なっているのでドラッグして位置を調整します
図7 旗3を選択しコピー&貼り付けし移動
(4)レイヤータブから「新しいレイヤーの生成」をクリック
(5)消しゴムツールを選択する
(6)「貼り付けられたレイヤー」を選択し、旗3の周囲の不要
部分を消す。ブラシのサイズやブラシ形状(周囲のぼかしのないもの)を選ぶ。
(7)「旗のコピー」という名前でエクスポートする
図8 貼り付けられたレイヤーの画像を消しゴムツールで修正
赤線で囲んだ部分の、コースを示す赤い点々を消して道の状態に修正します。
図9 赤線で囲んだ部分の点々を消す
(1)スタンプツールを選択
(2)下図の赤丸付近にマウスカーソルを置く
(3)Ctrlキーを押しながらクリックする
(道がコピーされる)
(4)赤丸の左の、コースを示す塗りつぶした赤丸の付近で
クリックする
(道が貼り付けられる。適切でないところに張り付いたときはCtrlキーとZキーを同時に押してやり直す。)
(5)道の周囲に貼り付けた丸い跡が残るが、「にじみ」ツール
でドラッグして色をにじませて修正する。)
図10 スタンプツールで道をコピーする
逆に、赤く塗りつぶした点々を、スタンプツールでコピーして道に貼り付けて、コースを描くこともできる。
鉛筆ツールを使うと、直線を描くことができます。「旗のコピー.jpeg」を開いて図10と同じ部分のコースを消してみます。
(1)画面の倍率を400%にする
(2)「スポイト」で道の部分の色を取り込む
(3)「鉛筆」を選択する
(4)「ブラシサイズ」を赤丸より少し大きい9pxにする
(5)消したい直線コースの端でクリックする
(6)Shiftキーを押しながら、消したい直線コースのもう一方の
端でクリック((2)で取り込んだ色の幅8pxの直線を描き、点々のコースが消える
(7)点々の消し残しが目立つ部分はブラシツールで修正する
図11 鉛筆でコースを消す
同じ方法で、新しいコースを「鉛筆」ツールで描くことができます。
地図にウォーキングコースを描いてみましょう。下の「ダウンロード」ボタンをクリックして地図ファイルをダウンロードできます。
(1)サンプルのファイル(みなとみらい地図.jpg)をGIMPで
開きます。
(2)「描画色(最初は黒)」をクリックし、これから描く
コースの色を選択しOKをクリックします。ここでは赤を選んでいます。
(3)「パス」ツール(上の画像の上の方の赤枠)をクリックし
て選択します。
(4)地図上のコースを順にクリックしてパスを描きます。
下の画像では分かりにくいですが、桜木町駅から汽車道を通り象の鼻パークへとクリクしてパスを描いています。
(5)コース全体が描けたら「編集」メニューをクリックし、
「パスの境界線を描画」をクリックします。
(6)「線の幅」を6.0pxのまま「描画」ボタンをクリックすると
下の画像のようなコースを描くことができます。
注: 「パスの境界線を描く」ダイアログボックスで「線の種類」
をクリックし点線を描くこともできます。
GIMPはPDFファイルを開く(画像としてインポートする)ことができます。数ページからなるPDFファイルの場合、インポートするページを指定して開きます。
例として、次のPDFファイルをダウンロードしてください。
このPDFファイルは2ページでできています。GIMPで開くと次のような画面が表示されて、開くページを指定します。
図12 インポートするページを選択する
GIMPで開きたいページをクリックして「インポート」をクリックします。後は、Jpeg画像を読み込んだ場合と同様に編集ができます。編集結果をエクスポートするときは、次のようにします。
(1)ファイルから「名前を付けてエクスポート」をクリック
(2)開いた画面で、ファイルの拡張子を.jpg(あるいは.jpeg)
に変更する
(3)「エクスポート」をクリック
図13 ファイルの拡張子をjpgに変更してエクスポート
前項でダウンロードしたPDFファイルには2枚の地図が入っています。ここでは、それらをつなぎ合わせて1枚の地図の画像に仕上げます。
2つの画像をつなぎ合わすには、縮尺が同じであることが必要です。どちらの地図にも電車の線路があり、桜が丘駅と高座渋谷駅が描かれています。そこで、PDFファイルを Adobe Acrobat Reader DCで開き、「ものさしツール」で駅間の長さを調べてみます。
Acrobat Reader DCでPDFファイルを開き、「ツール」タブから「ものさし」を開き、さらに「ものさしツール」をクリックします。距離を測定したい2点をクリックすると寸法を表示します。この方法で駅間の距離を調べると次のようになります。
1ページの地図(境川)の駅間距離: 148 mm
2ページの地図(引地川)の駅間距離: 213 mm
そこで、境川の地図はそのまま、引地川の地図を69.5%に縮小した2枚の画像を用意します。画像のサイズはそれぞれ次のようになります。
境川.jpg 826 × 1169 ピクセル
引地川.jpg 574 × 812 ピクセル
大きい方の画像である境川.jpgをGIMPで開き、その左側に引地川の画像をつぎ足すためのスペースを作るため、キャンパスサイズを826+574=1400 pxに広げます。
(1)画像タブの「キャンバスサイズの変更」をクリック
(2)ダイアログが表示されるので、「幅」に1400 と入力
(3)オフセットのXを574に変更
(4)「サイズ変更」ボタンをクリック
拡張したキャンバス部分をレイヤー領域にし、さらにレイヤーを追加します。
(5)「レイヤー」タブの「レイヤーをキャンパスに合わせる」を
クリック
(6)「レイヤー」タブの「新しいレイヤーの追加」をクリック
引地川.jpgをGIMPで開き、全体を選択してコピーしておき、境川のファイルに追加した新しいレイヤーに貼り付けます。
(7)「ファイル」タブの「開く/インポート」から引地川.jpgを
開く。下図のように画像のサムネイルが表示され、左の赤枠が先に開いてレイヤーを追加した境川.jpgファイル、右の点線赤枠が後で開いた引地川.jpg画像。サムネイルをクリックするとそれぞれのファイルを開く。不要になればサムネイル右の✕で閉じることができる。
(8)引地川.jpgを表示させ、「選択」タブの「すべて選択」を
クリック
(9)「編集」タブの「コピー」をクリック
(10)境川.jpgを表示させ追加した「レイヤー」をクリックする
(11)「編集」タブの「貼り付け」をクリック
新しいレイヤーに貼り付けた引地川の地図を「消しゴム」ツールで消すと、下のレイヤーの境川の地図が現れる。「移動」ツールで境川の地図との位置関係を調整し、2つの地図が繋がったら「画像」タブの「可視レイヤーの統合」で1つの画像とし、「ファイル」タブから統合された地図をエクスポートする。