Windows 7はすでにサポートが終了し、Windows 8.1も数年先でサポートが打ち切られます。Windows 8.1は2023年1月10日にサポート終了になります。サポートが終了しても使うことはできますが、プログラムの欠陥が見つかっても更新プログラムが提供されなくなります。使い続けるとシステム乗っ取りなどのリスクを負うことになります。ウイルスに感染すると自分だけでなくインターネットを通じて他の人にも迷惑をかけるかもしれません。
この機会にパソコンを新しく買い替えようと考える方もおられるでしょう。しかし、店頭に並ぶ最近のパソコンはほとんどが10万円を超えます。ここでは、これまで使ってきたWindows 7機やWindows 8.1機をWindows 10にアップグレードする方法を書いています。
この機会に、パソコンを高速にしたいなら、ハードディスクを半導体ディスク(SSD)に 置き換えましょう。詳細は こちらを参考にしてください。
Windows 7やWindows 8.1の愛機がWindows 10にできる性能を備えてないなら、あきらめるしかありません。その場合は新しくWindows 10機を買い替えることになりますが、ワードやエクセルなどのOfficeソフトウエア付きで買うかどうかがポイントです。 ココも参考にしてください。
手元のパソコンがWindows 10にできるかどうかは次のシステム要件に合致しているかによります。 Windows 10の仕様とシステム要件
● CPU 1 GHz以上
エクスプローラを開き左 ペインの「コンピューター」の上で右クリックし「プロパティ」を選んで開く画面で確認します。「システム」の項目の「プロセッサ」にxxx GHzと書かれています。
● メモリ 1 GB以上(32ビットのとき)
2 GB以上(64ビットのとき)
エクスプローラを開き 左ペインの「コンピューター」の上で右クリックし「プロパティ」を選んで開く画面で確認します。「システム」の項目の「実装メモリ」にxxx GBと書かれています。
〇 64ビット/32ビット
これはシステム要件ではありませんが、これからWindows 10にしようとするパソコンが64ビットなのか32ビットなのかを知っておきましょう。 エクスプローラを開き ペインの「コンピューター」の上で右クリックし「プロパティ」を選んで開く画面で確認します。「システム」の項目の「システムの種類」に書かれています。
● グラフィクスカード DirectX 9 (WDDM 1.0 ドライバー付き)以上
PCに搭載されたグラフィックスカードを調べるにはPC内の検索でDXDIAGを検索しコマンドを実行するとDirectXバージョンの項に表示されます。
● 画面 800x600 以上
デスクトップで右クリックし「ディスプレイ設定」を選択して表示する画面に「解像度」として表示されます。
なお、Windows 10のインストールの際に、Windows 7で使っていたデータを継承するか、すべてを消してしまうかを選択するステップがあります。Windows 10にする前に、大事なデータだけをUSBメモリなどに退避しておき、ハードディスクをすべて消してしまうクリーンインストールがお勧めです。「データを継承する」を選んだときは次の要件が加わります。
● ハードディスクの空き 16 GB以上(32ビットのとき)
20 GB以上(64ビットのとき)
エクスプローラを開き ペインの「コンピューター」の上でダブルクリックします。左ペインにCドライブの空き容量がxxx GBと書かれています。
システム要件に合致していたら、Windows 10のインストールの準備に移りましょう。CPUの速度は1GHz以上あれば良いことになっていますが数値が大きいほど速いパソコンです。2.0 GHzに近い方が快適に動きます。また、メモリが2GBならぜひ4GBに増設しましょう。
インストールされているアプリやデータをそのままに、OSだけをWindows 10にアップグレードすることもできます。その場合は ■ 現在使用中のPCのアプリやデーターを残して...を参照してください。
長年使ってきたPCの場合、ディスクをまっさらにしてWindows 10をインストール場合は、データのバックアップとアプリの再インストールのための情報を集める必要があります。
(1)データのバックアップ
マイドキュメントやピクチャに保存してあるデータのうち、不要なデータを消し、必要なデータだけをUSBメモリにコピーします。
メールの連絡帳はCSVファイルに書き出します。
(2)Officeのバージョンの確認
ワードやエクセル、メールを扱うアウトルックをセットにしたOfficeのバージョンを確認します。バージョンはワードなどを開いてファイルメニューの「アカウント」で確認できます。
Office 2007 2017/10/10 サポート終了
Office 2010 2020/10/13 サポート終了予定
Office 2013 2023/4/11 サポート終了予定
Office 2016 2025/10/14 サポート終了予定
Office 2019 2025/10/14 サポート終了予定
● サポートが継続中なら、Windows 10にしてからも使用できます。● OfficeのプロダクトIDを書いたカード型の紙が残っていれば、それで再インストールできます。
● Officeがサポート終了していれば、新規に購入してもよし、無料のOffice Onlineで乗り切る手もあります。純正Officeとの互換性を問わないなら、 Googleドライブで使用できる無料アプリあるいは、無料のLibre OfficeやApache OpenOfficeがあります。
(3)いろいろなアカウントを確かめる
● マイクロソフトアカウントがあればそのIDであるメールアドレスとパスワードを確認します。
● メールアドレスとメールサーバーのパスワードを確認します。
● セキュリティソフトを使っていればメーカー名/ソフトの名称/アカウントIDとパスワードを確認します。
● Gmailアカウントのメールアドレスとパスワードを確認します。もし、Gmailアカウントがなければこの機会に取得したらどうでしょうか。Outlookの連絡帳のデータをGmail連絡帳にインポートしておくとAndroidスマートホンと共有できて便利です。
● 特殊なソフトウエアをインストールしているとき、それがWindows 10で使用できるかどうか確認します。使えるようなら、インストールの方法を確認し、アカウントがあれば確認します。
■ 現在使用中のPCのアプリやデータを残してWindows 10にアップグレードする場合は次のようにします。
① Windows 7やWindows 8.1を立ち上げる。
② https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10 へアクセス
③ 「ツールを今すぐダウンロード」をクリック
④ ダウンロードしたツールを実行する
⑤ 「このPC」を選び「…データやアプリをそのままに…」を選ぶ
Windows 10にアップグレードできたら ライセンスの認証を参照してください。
■ 他のPCにWindows 10をインストールするためのツールを作成する場合は次のようにします。
8ギガ以上の容量があるUSBメモリーまたは二層DVDを用意し、次のサイトからツールをダウンロードしてインストールメディアを作成します。
USBメモリーからインストールする際にエラーが出て、DVDにインストールメディアを作成してやり直したところうまくいった経験があります。二層DVDにインストールメディアを作成しておくと重宝します。
パソコンによってはUSBやDVDを起動メディアとして認識しないことがあります。パソコンの電源を入れてすぐにF12キーを連打して表示する画面が、起動ドライブのリストです。USBあるいはDVDを選択してWindows 10をインストールするわけですが、このリストにUSBやDVDが含まれない場合があります。このようなとき、USBのフォーマットの仕方で乗り切った例が ここ にあります。
Windows 10のダウンロード の「ツールを今すぐダウンロード」からツールをダウンロードし、「開く」あるいはダウンロードしたファイルをダブルクリックしてツールを立ち上げる。
Windows 7機やWindows 8.1機で「Windows 10のダウンロード」ページを開き、ツールを作成するのでなく「このPC]を選んでWindows 10にすることもできますが、ツールを作成する方法に比べて時間がかかります。
Windows 10をインストールした後でディジタル認証されない場合はWindows 10のプロダクトIDを購入し、ライセンス認証します。
DVDまたはUSBメモリーに作成したWindows 10インストールメディアをパソコンに装着してから電源を入れます。ロゴが表示されたらすぐにファンクションキーF12などを連打しブート順をUSBメモリー優先に変更します。(これをしないとOSが立ち上がってしまいます。このとき、どのファンクションキーを連打するかはパソコンメーカーやモデルによって異なります。 参考: ブート順の変更
ブート順の変更をするのに、ファンクションキーでなくスイッチを押す方式のパソコンンもあります。
● 「このハードディスクには書き込めません」と表示されたときはハードディスクを選択し「新規」→「フォーマット」とたどりハードディスクをNTFSにフォーマットするとインストールできるかもしれません。
● ハードディスクに書き込まれているデータを生かすか、すべて消してクリーンな状態でインストールするか、を選択するステップがあります。大事なデータをUSBメモリーなどにコピーしてあれば、クリーンインストールを選びましょう。しがらみをすべて消したクリーンな状態でインストールできます。
● Windows 10の再インストールの流れ
すでにWindows 10がインストールされていたコンピューターにWindows 10を再インストールインストールするときの、およそのダイアログは以下のようです。赤字の部分の問合せには、予め情報を用意しておくことが必要です。
● インストールUSBが認識されないとき
USBメモリーをPCに装着し、PCの電源をオンにしてすぐにF12を連打してBIOSの起動ドライブ選択画面を表示させる。しかし、起動ドライブリストにUSB HDDが表示されず起動できない場合がある。
電源を入れた直後のF2連打でBIOSを表示し、起動ドライブをUSB HDDにしても起動しない。DVDドライブも起動ドライブとして認識されなかった。
試行錯誤の末、次のようにUSBメモリーのパーティションをフォーマットすることでUSBメモリーからWindows 10をインストールできた。
USBからWindows 10をPCにインストールする の記事の一部を参考にした。この記事ではrobocopyコマンドでisoイメージを書き込んでいるが、以下のようにパーティション・フォーマットをしたUSBメモリーに Windows 10インストールUSB を作成するだけで起動できた。
(1) EaseUS Partition Master をPCにインストールする。
(2)インストールメディアを作成するUSBをPCにマウントする。
(3)EaseUS Partition Masterを立ち上げる。
(4)「このアプリが...許可しますか」に「はい」をクリック
(5)画面上のUSB(ディスク1)の上で右クリックする。
(6)開いた画面で「フォーマット」をクリック
(7)Fat32、8Kを選び「OK」をクリック
(8)「ターゲットパーティションの...」が表示されたら「OK」
(9)左上の「1つの操作を実行する」をクリック
この様にしてフォーマットしたUSBをPCに装着し「Windows 10のダウンロードページ」の ツールを今すぐダウンロード をクリックしてダウンロードしたツールを「開く」で立ち上げてUSBメモリーにインストールメディアを作成する。
このようにして作成したメディアをWindows 10をインストールしたいPCに装着し、電源を入れてF12を連打し、表示された選択画面でUSB HDDを選択しEnterキーを押すとWindows 10のインストールが開始される。
Windows 10のインストールが完了したらパソコンをネットワークに接続しておきます。数分もすれば認証状態がわかりますので、次の手順でディジタル認証されたかどうかを確認します。
(1)左下隅のスタートボタンをクリック
(2)「設定」を開く
(3)「更新とセキュリティ」を開く
(4)左ペインの「ライセンス認証」をクリックする
ディジタル認証されているとき
次のように表示されればライセンス認証はディジタルライセンスにより認証されました。Windows 10の正規ユーザーとして確認され、インストールしたWindows 10を(無料で)使用できます。
図1 ライセンス認証されているとき
ディジタル認証方式はWindows 10 バージョン1511以降で取り入れられた方式で、パソコン機材とマイクロソフトアカウントが紐づけされたライセンス方式です。パソコン機材発売時にハードディスクに書き込まれた情報でライセンス認証がされるようです。バージョン1511より古い時代に発売されたパソコンではプロダクトIDが必要になります。
ディジタル認証されないとき
Windows 10のプロダクトキーを購入し「ライセンスの認証」をする必要があります。
画面右下に「ライセンス認証してください」と表示されますがパソコンの動作を確かめることはできます。インターネットにアクセスしたりして感触をたしかめてからWindows 10のプロダクトキーを購入しても遅くはありません。約1か月で様子が変わるようです。
Windows 10を立ち上げ 設定→アカウント と進み、「Windows を今すぐアクティブ化します」をクリックすると次のようなライセンス認証画面が開きます。
図2 プロダクトキーを変更します
Windows 10をすでに購入していて手元にプロダクトキーがあるときは「プロダクトキーを変更します」をクリックして入力します。
図3 プロダクトキーの入力
入手したプロダクトキーを入力して「次へ」をクリックします。入力したプロダクトキーが認証されると図1の画面に認証された旨が表示されます。
Windows 10を購入するには、上の画面の「Microsoft Storeに移動」というリンクをクリックするとWindows 10 homeの「購入」ボタンがあります。ここで購入してもよいのですが、アマゾンで購入する方が少し安いかもしれません。
アマゾンで購入する場合は、パソコンが32ビットなのか64ビットなのかを知った上で購入します( 調べ方はこちら)。
Windowsアマゾンにアクセスし、“Windows 10プロダクトキー”を検索してオンライン・プロダクトキーかLANアダプターバンドル品を購入します。
ヤフオクでもWindows 10プロダクトキーを落札できます。プロダクトキーを入手したらすぐにライセンス認証して使えることを確認してから「商品受け取り通知」をします。ライセンス認証に失敗するときは出品者と交渉します。
まず最初に、バックアップしてあったデータをUSBメモリーからドキュメントフォルダやピクチャーフォルダに戻します。
これまで使用していたOfficeがWindows 10で使用できるバージョンであれば再インストールします。これまでマイクロソフトアカウントを使用していて、Windows 10でもそれと同じマイクロソフトアカウントでサインインしていれば次のリンクを参考に、再インストールできます。
マイクロソフト・アカウントによるOfficeの再インストール
サポートが終了したOfficeを使っていた場合は、新規に購入するか、別の対応方法を考えます。まず、Officeメンバーのワードやエクセルが今後必要かどうかです。自分で作成したワード文書をいろんなところに送って読んでもらうことがあるでしょうか?その場合は、互換性を保つために純正のOfficeを用意した方が無難です。
届いたワード文書を開くだけなら、Officeがなくても無料のOfficeビューワーで乗り切れるかもしれません。OneDriveで無料で利用できるWord Onlineなどを利用すれば、保存はOneDriveに限られますがパソコンにコピーもでき類似のOffice文書を作成できます。無料で使えるGoogleアプリやLibereOfficeやApach OpenOfficeというソフトもあります。
パソコン教室で、みんなと同じ作品を作るためにOfficeが必要、と考えられるシニアもおられるでしょうが、そのために数万円の出費になります。パソコンでの作品作りをみんなで楽しむ時間を大切にするか、パソコンをインターネットへ接続する機械と考えて、今後はスマホとの連携などに力を注ぐように方向を変えるか、さぁ、どうしましょう?
これまで使っていたセキュリティソフトがWindows 10にも対応しているものなら、再インストールして同じアカウントで継続使用できます。中には、Windows 10で使うためにはアップグレードのための料金を支払う必要があるソフトもあります。
Windows 10にはDefenderというセキュリティソフトが入っています。このソフトで基本的なセキュリティチェックはされますが、フィッシング詐欺の対応などさまざまな特長をうたったセキュリティソフトが販売されています。アップグレードしたパソコンの用途と考え併せて選びましょう。